結論|GMKtec EVO-X2は「ローカルAI+ゲーム」の両立を求める人に最適

ミニPCで40万円近くするモデルがあるって聞いたんだけど…本当にその価値あるの?



128GBモデルは確かに高額ですが、同等のメモリとCPUを自作で揃えると20万円超え。AI用途まで考慮するとコスパは悪くありません。ただし用途を絞らないと「宝の持ち腐れ」になるリスクもあるので、この記事で一緒に見極めていきましょう。
GMKtec EVO-X2は、AMDのフラグシップAPU「Ryzen AI Max+ 395」を搭載したミニPCです。16コア32スレッドのCPUと40CUの強力な内蔵GPU、そして最大128GBのLPDDR5X-8000メモリをわずか容量約2.8リットルの筐体に凝縮しています。
ゲーミングPC・AI推論マシン・クリエイティブワークステーションの役割を1台でこなせる可能性を秘めた本機が、実際に「買い」なのかどうか。ベンチマークスコア、ゲーム別fps、LLM推論速度、競合モデルとの比較まで踏み込んで検証します。
スペック・構成の確認ポイント
Ryzen AI Max+ 395の実力
EVO-X2の心臓部であるRyzen AI Max+ 395は、AMDが「Strix Halo」のコードネームで開発した最上位APUです。Zen5アーキテクチャの16コア32スレッド(最大5.1GHz)に加え、L2キャッシュ16MB+L3キャッシュ64MBという大容量キャッシュを備えています。
TDPは標準55Wですが、EVO-X2ではcTDP設定により最大120Wまで電力を引き上げ可能。前面の電力プロファイルボタンで「バランス(85W)」「パフォーマンス(120W)」「静音(54W)」を切り替えられるため、BIOSを開かずに用途に応じた調整ができます。
Radeon 8060Sの内蔵GPUはどの程度?
EVO-X2に内蔵されたRadeon 8060Sは、RDNA 3.5アーキテクチャの40コンピュートユニット(CU)、最大2,900MHzで動作する統合GPUです。一般的なノートPC向けiGPU(Radeon 890Mなど)の2倍以上のCU数を持ち、メモリ帯域256GB/sと大容量VRAMの恩恵を受けて、従来のiGPUとは別次元のグラフィックス性能を発揮します。
iGPU(統合GPU)はCPUに内蔵されたグラフィックス機能で、dGPU(ディスクリートGPU)はGeForce RTXやRadeon RXなどの独立したグラフィックボードを指します。Radeon 8060SはiGPUでありながら、ローエンド〜ミドルクラスのdGPUに匹敵する性能を持つ点が画期的です。
BIOSの設定でiGPUに割り当てるVRAM容量を変更でき、128GBモデルではデフォルト64GBがGPU用に確保されます。AI推論時はVRAMを96GBまで拡張することで、大規模LLMのローカル実行にも対応。ゲーム用途とAI用途でVRAM配分を使い分けられる柔軟性がこのPCの大きな特徴です。
メモリ構成は64GB・96GB・128GBの3択
EVO-X2のメモリはオンボードLPDDR5X-8000で、購入後の増設・交換は不可。64GB・96GB・128GBの3構成から選ぶ必要があります。
CPU:AMD Ryzen AI Max+ 395(16コア32スレッド・最大5.1GHz)
GPU:Radeon 8060S Graphics(40CU・最大2,900MHz)
メモリ:LPDDR5X-8000(64GB / 96GB / 128GB)
ストレージ:M.2 2280 NVMe SSD(最大2TB)+空きスロット1基
OS:Windows 11 Pro
映像出力:HDMI 2.1 / DisplayPort 1.4 / USB4(DP Alt Mode)×2 → 最大4画面
ネットワーク:2.5GbE / Wi-Fi 7 / Bluetooth 5.4
サイズ:193×185.8×77mm(容量約2.8L)
重量:約1,678g
電源:ACアダプター 230W(19.5V / 11.8A)
※ スペックはGMKtec公式サイトおよびリンクスインターナショナル製品ページに基づきます。価格・構成は2026年2月時点の情報です。
ベンチマーク&ゲーム実測
3DMark Time Spyは約10,700〜11,200pt。デスクトップ版RTX 4060に匹敵するスコアで、フルHDゲーミングなら十分戦える内蔵GPUです。
3DMark / Cinebenchスコア
各メディアのレビュー結果を総合すると、EVO-X2の3DMark Time Spyスコアは約10,700〜11,300ptのレンジに収まります。グラフィックススコア単体では約10,800〜10,900ptで、これはデスクトップ版GeForce RTX 4060(約12,000pt前後)に迫り、RTX 4060 Laptop GPUを上回る水準です。
CPU性能もCinebench R23マルチコアで37,041ptsと、デスクトップ向けRyzen 7 9700Xを超える処理能力。シングルコア2,023ptsはZen5世代らしい高水準で、日常操作のキビキビ感にも直結します。
※ 3DMarkスコアはNotebookcheck実機レビュー、CinebenchスコアはPC Watch実機レビューに基づきます。計測環境やドライバにより数値は前後します。
ゲーム別fpsテスト(フルHD)
Radeon 8060Sの実ゲーミング性能を、各メディアの実測データから整理しました。いずれもフルHD(1920×1080)環境での結果です。
Apex Legendsはフルイド中設定で平均186fps、低設定なら213fpsと、144Hzモニターを活かせるフレームレートを叩き出しています。FF14ベンチマーク(黄金のレガシー)もフルHD最高品質で「快適」以上の判定が得られるレベル。
一方、モンハンワイルズのような重量級タイトルでは、最高設定でのフルHD 60fps安定は厳しく、画質を中〜低に落とす調整が必要な場面も。4Kゲーミングは現実的ではなく、あくまでフルHD〜WQHD中設定が本機のスイートスポットです。
※ fpsデータはちもろぐ実機レビューおよび各種YouTubeレビューの実測値を参考にしています。ゲームのバージョン・ドライバ・設定により数値は変動します。



フルHDなら結構ゲームできるんだ!でもこのPC、ゲーム専用機としてはどうなの?



ゲーム「だけ」が目的なら、同じ予算でRTX 4070 Ti搭載のデスクトップを買った方が圧倒的に高fps。EVO-X2の強みは「ゲームもできて、AIもできて、省スペース」という総合力にあります。
ローカルLLM推論性能
EVO-X2が最も真価を発揮するのが、ローカルLLMの推論処理です。BIOSでVRAMを96GBに設定し、LM StudioでVulkanエンジンを使用した場合、gpt-oss-120b(Q4量子化)が約32 tok/sで動作したとPC Watchのレビューで報告されています。
120Bパラメータ規模のLLMを30tok/s以上で回せるマシンが30万円以下(クーポン適用時)で手に入るのは破格。Apple M4 Max 128GB搭載MacBook Pro(約80万円)の半分以下の価格で、LLM推論速度はメモリ帯域比で約半分(M4 Maxが70+ tok/s)。コストあたりの推論性能ではEVO-X2に軍配が上がります。
GPコスパ指数と競合モデル比較
筆者独自のGPコスパ指数で評価してみましょう。128GB+2TBモデル(Amazon通常価格 約40.6万円)を基準にすると、以下の計算になります。
GPコスパ指数は約27で、ゲーム性能対価格では「割高」のカテゴリに入ります。ただしこの指数は3Dグラフィックス性能と価格だけで算出する指標であり、128GBメモリによるAI推論能力・省スペース性・4画面出力・Wi-Fi 7などの付加価値は反映されていません。
64GB+1TBモデル(実売約23.4万円)で計算するとGPコスパ指数は約47。それでも通常のBTOゲーミングPCと比べると数値は低く出ますが、これは「省スペース×AI対応」のプレミアムが乗った製品だと考えるべきでしょう。
同じRyzen AI Max+ 395を搭載する競合モデルと比較すると、EVO-X2の立ち位置が見えてきます。
GMKtec EVO-X2
CPU:Ryzen AI Max+ 395
メモリ:128GB LPDDR5X
ストレージ:2TB SSD
価格:約40.6万円(Amazon通常)
特徴:コスパ重視・M.2空き1基
MINISFORUM MS-S1 MAX
CPU:Ryzen AI Max+ 395
メモリ:128GB LPDDR5X
ストレージ:2TB SSD
価格:約45〜50万円前後
特徴:OCuLink標準搭載・拡張性高
MINISFORUM MS-S1 MAXは同じCPU・メモリ構成ながら、OCuLinkポートを標準搭載している点が強みです。外付けGPUで将来的なパワーアップを正式にサポートしたい人にはMS-S1 MAXが向きます。一方、純粋な価格ではEVO-X2が数万円〜10万円ほど安い傾向にあり、OCuLinkが不要ならEVO-X2のコストパフォーマンスが際立ちます。
※ 価格は2026年2月時点のAmazon・各公式ストアの参考値です。セール・クーポンにより変動します。MINISFORUM MS-S1 MAXの価格は価格.comおよび各販売サイトを参考にしています。
EVO-X2の最新価格・クーポン情報はAmazonの商品ページで確認できます。※ セール価格は予告なく変更される場合があります。
\ クーポン適用で大幅値引きの場合あり /
メリット・デメリットと注意点
- iGPUでRTX 4060級の3D性能。グラボなしでフルHDゲーミング可能
- 最大128GBメモリ+256GB/s帯域でローカルLLM(120Bクラス)が実用速度で動く
- 容量約2.8Lの小型筐体に16コアCPU+強力GPU+大容量メモリを凝縮
- USB4×2・Wi-Fi 7・2.5GbE・最大4画面出力とインターフェイスも充実
- M.2空きスロットでSSD増設が可能。OCuLink改造の余地もあり
- メモリがオンボード固定で、購入後の増設・交換ができない
- 高負荷時のファン騒音がやや大きい(背面から熱風が出る)
- 64GBモデルでも約23万円〜と、ミニPCとしては高額
- 4KゲーミングやWQHD最高設定は力不足。あくまでフルHD向き
- OCuLinkポート非搭載。eGPU接続はM.2改造が必要(非公式)
メリットの核心は「省スペースでAI+ゲーム+クリエイティブを1台でまかなえる汎用性」にあります。同じ予算でRTX 4070 Ti搭載のデスクトップを組めばゲーム性能は圧倒的に上ですが、128GBの統合メモリでLLMをローカル実行できる環境は自作PCでは簡単に再現できません。
デメリットで最も注意すべきはメモリの増設不可という点。将来的にAIモデルの大型化が進んだ場合、64GBでは物足りなくなるリスクがあります。予算が許すなら96GB以上のモデルを選ぶのが安全策でしょう。
- ローカルLLM(DeepSeek、Llama等)を実用速度で動かしたいAIエンジニア・研究者
- フルHD環境でApex Legends・FF14・原神などを快適にプレイしたいゲーマー
- デスクスペースが限られていて、高性能PCを省スペースで運用したい人
- 動画編集・3DCG・AI画像生成など複数の重い作業を1台でこなしたいクリエイター



逆に向かないのは「とにかく最高画質・4Kで重量級ゲームをプレイしたい人」と「ゲーム以外にPCを使わない人」。その場合はRTX 4070 Ti以上を搭載したBTOゲーミングPCの方が満足度が高いはずです。
よくある質問(FAQ)
EVO-X2の購入前に多くの方が疑問に感じるポイントをQ&A形式でまとめました。
- GMKtec EVO-X2でApex Legendsは快適にプレイできますか?
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フルHD・中設定で平均186fps、低設定で213fpsという実測データがあり、144Hzモニターでの快適プレイが可能です。高リフレッシュレート環境でも不足を感じる場面は少ないでしょう。
- メモリは64GBと128GBのどちらを選ぶべきですか?
-
ゲーム中心なら64GBで十分です。ローカルLLM(70B以上のモデル)を本格的に動かしたい場合は96GB以上を推奨します。メモリは後から増設できないため、予算が許すなら128GBを選ぶと将来的に安心です。
- Radeon 8060Sの性能はGeForce RTXシリーズのどれに相当しますか?
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3DMark Time Spyのスコアから判断すると、デスクトップ版RTX 4060にほぼ匹敵し、RTX 4060 Laptop GPUを上回ります。RTX 4060 Tiには及びませんが、フルHDゲーミングには十分な性能です。
- OCuLinkでeGPUは接続できますか?
-
本体にOCuLinkポートはありませんが、空きM.2スロットにOCuLinkアダプタを装着してeGPU接続に成功した事例がPC Watchなどで報告されています。ただしこれはメーカー非公式の改造であり、保証外となる点にご注意ください。
- GMKtecは信頼できるメーカーですか?
-
GMKtec(深圳GMK Technology)は中国のミニPCメーカーで、日本ではリンクスインターナショナルが正規代理店として販売しています。技適取得済み・PSE認証済みのACアダプターが付属し、国内サポート体制も整っています。
- ファンの騒音はどの程度ですか?
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アイドル時は静かですが、ベンチマークやゲームなど高負荷時にはファン3基がフル回転し、背面から暖かい排気が出ます。一般的なゲーミングデスクトップと同程度か、やや耳につく程度の騒音レベルです。前面のファンプロファイルボタンで回転数の調整も可能です。
- 4K出力やマルチモニターには対応していますか?
-
HDMI 2.1・DisplayPort 1.4・USB4(DP Alt Mode)×2で最大4画面同時出力に対応しています。4K 165Hz(10bit)での出力も確認されており、4Kモニターでの事務作業やコンテンツ閲覧には最適です。ただしゲームプレイは4Kではfpsが大幅に落ちるため、フルHD〜WQHDが推奨環境です。
※ 回答内容は各種レビュー記事およびリンクスインターナショナルの製品情報に基づきます。最新情報は公式サイトでご確認ください。
まとめ|どのモデルを選ぶべきか
最後に、用途別のモデル選びの指針を整理します。
64GB+1TBモデル(約23万円〜)
フルHDゲーミングが中心で、AIは小〜中規模モデル(8B〜32B)を試す程度の人向け。価格を抑えつつ、Radeon 8060Sのゲーム性能はフルに享受できます。
96GB+2TBモデル(約27万円〜)
ゲームもAIもバランスよく使いたい人に。VRAMに64GB割り当てても32GBのシステムメモリが残り、70Bクラスの量子化LLMをスムーズに動かせます。
128GB+2TBモデル(約40万円〜)
120B以上の大規模LLMをローカルで本格運用したい人向け。VRAMに96GBを確保しつつシステムメモリ32GBを維持でき、AIワークステーションとしての可能性を最大化できます。
- 自分の主な用途(ゲーム / AI推論 / クリエイティブ作業)を明確にしたか
- メモリ容量は購入後に変更できない点を理解しているか
- フルHDゲーミングが中心で、4K最高設定は期待しないと割り切れるか
- Amazon・楽天・公式サイトでクーポンやセール価格を比較したか
- ACアダプター(230W)の設置スペースとコンセント確保ができるか



EVO-X2は「ゲームもAIも1台で済ませたい」という欲張りな要望に応えてくれる数少ない選択肢。用途が合致するなら、現時点でコスパ最良のStrix Halo搭載機と言って差し支えないでしょう。
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