GMKtec M5 Plus(Ryzen 7 5825U)は「普段使い最強コスパ」のミニPC
GMKtec NucBox M5 Plusは、AMD Ryzen 7 5825Uを搭載したコンパクトなミニPCです。Amazonでは「ゲーミングミニPC」と銘打たれていますが、結論から言うと本格的なPCゲームを快適に遊べる製品ではありません。
一方で、Web閲覧やオフィスワーク、動画視聴、軽めの写真編集といった日常用途においてはIntel N100搭載機を大きく上回る快適さを提供してくれます。実売価格は16GB / 512GBモデルで約3万7,000〜4万2,000円(2026年2月時点)。この価格帯で8コア16スレッドのRyzen 7が手に入る点こそ、本機最大の魅力です。

「ゲーミング」って書いてあるのにゲームには向かないの?ちょっと紛らわしいなぁ…。



Amazonでの商品名に「ゲーミング」と入っているだけで、実際は普段使い~ビジネス向けのミニPCだね。原神やApex Legendsを低画質でカジュアルに遊ぶ程度なら可能だけど、本格ゲーミングには外部GPU搭載モデルが必要だよ。
スペックと基本情報を整理する
Ryzen 7 5825Uの立ち位置を正しく理解する
CPU:AMD Ryzen 7 5825U(8コア / 16スレッド、最大4.5GHz、TDP 15W)
GPU:AMD Radeon Graphics(Vega 8、CPU内蔵)
メモリ:DDR4-3200 16GB(8GB×2、最大64GBまで換装可)
ストレージ:512GB M.2 PCIe 3.0 SSD(空きM.2スロット1基あり)
OS:Windows 11 Pro(正規OEMライセンス)
通信:Wi-Fi 6、Bluetooth 5.2、2.5Gbps有線LAN×2
映像出力:HDMI(4K@60Hz)、DisplayPort(4K@60Hz)、USB Type-C(映像出力対応)
サイズ:128×127×47mm / 約528g
Ryzen 7 5825Uは、AMDが2022年にリリースしたZen3アーキテクチャのモバイル向けCPUです。8コア16スレッドで最大ブーストクロックは4.5GHz。PassMark CPUスコアは約18,000pt前後で、エントリー向けのIntel N100(約5,500pt)と比較すると3倍以上の処理能力を持ちます。
ただし、2026年現在では「旧世代CPU」に分類される製品です。Ryzen 7000/8000シリーズと比べるとシングルスレッド性能やGPU性能で差がつくため、最新世代のパフォーマンスを求める人向けではありません。あくまで「価格と性能のバランスが良い選択肢」として評価するのが正しい見方でしょう。
インターフェース・拡張性は価格以上
前面にはUSB 3.2 Gen1 Type-A×2、USB Type-C(映像出力対応)×1、ヘッドホン端子を搭載。背面にはUSB 2.0×2、HDMI、DisplayPort、2.5Gbps有線LAN×2、電源コネクターが並びます。4万円前後のミニPCとしては充実した構成で、トリプルディスプレイ出力にも対応。
拡張性の面でも、DDR4 SO-DIMMスロット×2(最大64GB)、M.2 SSDスロット×2(うち1基は空き)を備えています。メモリやストレージを後から増設・換装できるのは大きなメリット。特にメモリ16GBでWindows 11を使うと使用率が60%近くになるケースもあるため、32GB以上への増設を視野に入れておくのが安心です。
※スペック情報はGMKtec公式 NucBox M5 Plus製品ページおよびAMD公式 Ryzen 7 5825Uドライバーページに基づきます。
ベンチマークで見るリアルな性能
電力設定(15W / 35W)でスコアが大幅に変動。35W設定ならPassMark 20,000pt超えも可能だが、ファン音とトレードオフになる。
CPU性能:電力設定で大きく変わるパフォーマンス
NucBox M5 PlusのCPU性能は、BIOSの電力設定によって大きく変わります。標準のBalanced(15W)ではPassMark CPUスコア約15,060ptですが、Performance(35W)に切り替えると約20,111ptまで向上。同じCPUとは思えないほどの差が生まれます。
PCMark 10(一般作業の快適さを測るベンチマーク)でも、35W設定時のスコアは5,992pt。Webブラウジングやオフィスソフトの利用、ビデオ会議には十分すぎる性能です。15W設定でも日常作業なら支障はありませんが、複数タブを大量に開いたりマルチタスクをこなす場面では体感差が出てきます。
グラフィックス性能:Radeon Vega 8の限界
GPU(グラフィックス)はCPU内蔵のRadeon Graphics(Vega 8アーキテクチャ)です。3DMark Time Spy Graphicsスコアは約1,100〜1,370pt(電力設定により変動)。これは最新のRDNA3内蔵GPU(Radeon 780Mの約2,700pt)の半分以下で、外部GPU搭載機との差は歴然です。
「ゲーミング」の冠がついていても、グラフィックス性能は最新のノートPC向け内蔵GPUにも及ばない水準。Vega 8はGCN第5世代のアーキテクチャであり、RDNA世代以降のGPUとは根本的に設計思想が異なります。動画再生やビジネスアプリの描画処理なら問題ありませんが、3Dゲームについては過度な期待は禁物です。
※ベンチマークスコアはこまめブログおよびウインタブの実機計測データを参照。環境・個体差によりスコアは変動します。GPU比較スコアはUL Solutions 3DMark公式の集計平均値です。
ゲーム性能の正直な評価
レビューサイトの実測データをもとに、主要タイトルのフレームレート目安を整理しました。すべてフルHD(1920×1080)、15W設定時のデータです。
| ゲームタイトル | 画質設定 | fps目安 | 評価 |
|---|---|---|---|
| 原神 | 最低画質 | 約60fps | ○ |
| 原神 | 最高画質 | 30fps以下 | × |
| Apex Legends | 最低画質 | 48〜55fps | △ |
| Apex Legends | 最高画質 | 30fps以下 | × |
| ストリートファイター6 | LOWEST | 快適判定 | △ |
| ストリートファイター6 | NORMAL | 動作困難 | × |
| FF14ベンチ | 標準品質 | 「設定変更を推奨」判定 | △ |
※fpsデータはこまめブログのNucBox M5 Plus実機レビューおよびウインタブのNucBox M5 Plusレビューの実測値に基づきます。15W設定時のデータです。
原神のような軽量タイトルなら最低画質で60fps前後をキープできるため、カジュアルに遊ぶ分には許容範囲。Apex Legendsは最低画質でも50fps前後でカクつきが発生し、競技的なプレイは厳しい水準です。ストリートファイター6はLOWEST設定(解像度も下がる)でようやく快適判定という結果に。



正直なところ、本格的にPCゲームを遊びたいなら外部GPU搭載のゲーミングPCを選ぶべきだね。本機は「普段使いメインで、たまに軽いゲームも試せたらいいな」くらいの温度感で考えるのがベストだよ。
メリット・デメリットと注意点
コスパと静音性は優秀だが、ゲーム性能とサポート品質には課題あり。購入前に「何に使うか」を明確にしておくことが重要。
- 4万円前後で8コア16スレッドCPUを搭載。N100搭載機の2〜3倍の処理性能
- メモリ・SSDの換装が可能。最大64GBメモリ、SSD増設にも対応
- Windows 11 Proの正規OEMライセンス。ボリュームライセンスの心配なし
- 2.5Gbps有線LAN×2、USB Type-C映像出力、トリプルディスプレイ対応
- Balanced(15W)設定なら静音性が高く、Quietモードではほぼ無音
- GPU性能が低く、中〜重量級ゲームは実用外。「ゲーミング」は名前負け
- Performance(35W)設定ではファン音がかなり大きくなる
- SSDのアクセス速度がPCIe 3.0としてはやや遅め
- コイル鳴きの報告あり。個体差はあるが深夜の使用で気になる可能性
- サポート品質にバラつき。法人で大量導入した際の故障率を指摘する声も
Amazonのレビューを確認すると、コスパの良さや静音性を評価する声が多い一方で、「コイル鳴きが気になる」「HDMIで映像が瞬断する」「電源アダプターが2ヶ月で故障した」といった報告も見られます。法人で20台以上購入し、1年以内に半数近くで不具合が出たというレビューもあり、耐久性の面では大手メーカー製品との差を意識しておくべきです。



WEBと動画がメインなので、スペックはそれ程いらない。passmark13000以上必須でこれを選定。ゲームしないならコスパ的には最高。
このレビューが象徴するように、「ゲームはしない」「Web・動画メイン」と割り切って使うユーザーからの評価は総じて高い傾向にあります。逆に、ゲーム性能や長期耐久性を重視する人にとっては、コスパの良さだけで選ぶとミスマッチが起きやすい製品といえるでしょう。
競合ミニPCとの比較
Ryzen 7 5825U搭載ミニPCは複数メーカーから発売されています。GMKtec M5 Plusの競合となるGEEKOM A5と、上位モデルのMINISFORUM UM773 Liteを含めて比較します。
| 項目 | GMKtec M5 Plus | GEEKOM A5 | MINISFORUM UM773 Lite |
|---|---|---|---|
| CPU | Ryzen 7 5825U | Ryzen 7 5825U | Ryzen 7 7735HS |
| GPU | Radeon Vega 8 | Radeon Vega 8 | Radeon 680M(RDNA2) |
| メモリ | 16GB DDR4 | 16GB DDR4 | 16GB DDR5 |
| ストレージ | 512GB PCIe 3.0 | 512GB PCIe 3.0 | 512GB PCIe 4.0 |
| 有線LAN | 2.5Gbps×2 | 2.5Gbps×1 | 2.5Gbps×1 |
| 筐体素材 | 樹脂(プラスチック) | アルミ合金 | アルミ合金 |
| 保証 | 1年 | 3年 | 3年 |
| 実売価格(税込) | 約37,000〜42,000円 | 約45,000〜55,000円 | 約55,000〜65,000円 |
| こんな人向け | 最安で8コア16スレッドが欲しい人 | 筐体品質・長期保証を重視する人 | GPU性能やSSD速度にもこだわる人 |
※価格は2026年2月時点のAmazon販売価格を参考にした目安です。セールやクーポンにより変動します。最新価格は各メーカー公式サイトまたはAmazonでご確認ください。
GMKtec M5 Plusの圧倒的な強みは実売価格の安さにあります。同じRyzen 7 5825Uを搭載するGEEKOM A5と比べて約1万円安く、その差額でメモリ増設やSSD追加に回せる計算。一方、GEEKOM A5はアルミ筐体で放熱性に優れ、3年保証が付く点で安心感は上です。
GPU性能を重視するなら、+1〜2万円でRDNA2世代のRadeon 680Mを内蔵するMINISFORUM UM773 Liteが候補に挙がります。Time Spy Graphicsスコアは約2,350ptとM5 Plusのほぼ2倍で、軽量ゲームの快適度が大きく改善します。



「とにかく安く8コアCPUが欲しい」ならGMKtec、「安心感と長く使える品質」ならGEEKOM、って感じかな?
その通りです。M5 Plusは「最安値で8コア16スレッドを手に入れたい」というニーズに最も刺さる製品であり、筐体品質やサポート体制は価格相応という認識で選ぶのが正解でしょう。
当サイト独自の指標「GPコスパ指数」は(3DMark Time Spyスコア ÷ 実売価格(税込・万円単位))× 100で算出します。本機の場合、Time Spy Graphics 1,368pt・実売約4.0万円で計算するとGPコスパ指数は約34.2となり、「割高」の評価です。ただしこの指数は3D性能対価格の指標であり、静音性・省電力・拡張性・サイズなど数値化できない価値は反映されません。CPU性能対価格で見れば本機のコスパは間違いなく優秀です。
▶ 関連記事:【ゲーミングPCおすすめランキング|予算別に最適な1台を提案】
GMKtec NucBox M5 Plusの最新価格はAmazonで確認できます。※セール時期によってクーポン割引額が変わるため、購入前に必ず価格を確認してください。
よくある質問(FAQ)
購入検討者が気になるポイントをQ&A形式でまとめました。
- GMKtec M5 PlusでApex LegendsやValorantは遊べますか?
-
Apex Legendsは最低画質・フルHDで48〜55fps程度。カジュアルに遊ぶ程度なら可能ですが、カクつきが発生するため競技的なプレイには向きません。Valorantは比較的軽量なタイトルのため、低画質設定で60fps以上を狙える可能性がありますが、安定して144fpsを維持することはできません。
- メモリ16GBで足りますか?32GBに増設すべき?
-
Web閲覧やオフィスソフト中心なら16GBで運用可能です。ただしWindows 11はバックグラウンドのメモリ消費が多く、複数アプリの同時使用時は使用率が60%を超えることも。画像編集やブラウザのタブを多数開く場合は、32GBへの換装を推奨します。DDR4 SO-DIMMスロット×2なので、市販の16GB×2で64GBまで対応します。
- 電力設定のBalancedとPerformanceはどちらがおすすめ?
-
日常利用ならBalanced(15W)が最適です。十分な処理性能を維持しつつファン音を抑えられます。動画編集や重めの処理を行う場合はPerformance(35W)に切り替えると大幅に高速化しますが、ファン音がかなり大きくなるため、ヘッドフォンの使用を推奨します。
- Windows 11のライセンスは正規品ですか?
-
はい。GMKtec NucBox M5 Plusには正規のOEMライセンス版Windows 11 Proがプリインストールされています。一部のミニPCで問題になるボリュームライセンス(VL)ではないことが複数のレビューサイトで確認されています。
- 技適マークは取得されていますか?
-
本体底面に技適マークのシールが貼付されており、総務省の電波利用ホームページでも確認できます。日本国内で合法的に無線通信を使用可能です。
- GMKtec M5 PlusとM5 Ultraの違いは?
-
M5 UltraはCPUがRyzen 7 7730U(Zen3+世代)にアップグレードされたモデルです。CPU性能は5825Uと大きな差はありませんが、Wi-Fi 6E対応など細部が改善されています。価格差が小さい場合はM5 Ultraを検討する価値があります。最新の構成と価格はGMKtec公式サイトで確認してください。
※FAQの回答は2026年2月時点の情報に基づきます。製品仕様や価格は変更される場合があります。
まとめ:GMKtec M5 Plusはこんな人に合う
- Web閲覧・オフィスワーク・動画視聴がメインで、Intel N100では物足りない人
- デスク周りを省スペースにしたい在宅ワーカー・リモートワーカー
- Windows 10サポート終了に伴い、低予算でWindows 11搭載PCに乗り換えたい人
- サブPCや簡易NAS、リモートデスクトップ用途の手頃なマシンを探している人
一方、以下のような人には向きません。
- Apex Legends・Valorant・FF14などのPCゲームを快適に遊びたい人 → 外部GPU搭載のゲーミングPCを検討
- 長期耐久性やサポート品質を最重視する人 → GEEKOM A5(3年保証)やLenovo ThinkCentreなど大手メーカー製を推奨
- 4K動画編集や高度なクリエイティブ作業を行う人 → Ryzen 7000/8000シリーズ以上のミニPCを推奨
- 主な用途はWeb閲覧・オフィスワーク・動画視聴で、ゲーミング目的ではないか
- ディスプレイ・キーボード・マウスは別途用意できるか
- メモリ16GBで足りるか、将来的に32GBへの増設予算も考慮しているか
- ストレージ512GBで足りるか、M.2 SSD増設の予定はあるか
- 初期不良・故障時のサポート対応に多少の手間がかかる可能性を許容できるか
CPU:AMD Ryzen 7 5825U(8C/16T)
メモリ:16GB DDR4 / ストレージ:512GB SSD
OS:Windows 11 Pro(正規OEMライセンス)
実売価格:約37,000〜42,000円(2026年2月時点)
※セール・クーポンにより変動します。購入前に最新価格をご確認ください。






